都市夢ーとしむー
その5/自責の後で
「アユムにオレ達のこと話せなかったのは、オレも責任を感じてる。もっと早く告げるべきだったと後悔してるしな。お前にも申し訳ないよ。ふう…」
「慎也…。それより、あなたはジュリとことを話すべきだったじゃあないの。それを彼女は一番…、うっ、うっ…」
ここでイズミは涙を抑えることができず、嗚咽した。
慎也はリビングチェストからハンドタオルを手に取り、彼女に差し出すと、小声で語りかけた。
...
「…パリで会った時にも話したが、今でもオレはジュリにクスリを混ぜられたと思ってる、気がついたらベッドの上で獣のように抱きあってたんだ。これは事実だよ。それと、彼女の体が最高だったのも…」
「つまり、こと体に限っては、アユムよりもジュリの方がってことなんだよね」
「ああ…、以前そっちに言った通りさ。アユムの体が物足りないって気持ちはさ、正直あった。ジュリが周りに言い回ってたことはオーバーだけど、すべて否定できるまでの自信はなくて、そのまま、アユムとはなんとなくな。結局、そのことで結婚まで踏み切れなかったのは事実だ。それを、後ろめたく思ってたんだろうな…。彼女にはとうとう言えなかったよ。結局、勇気がなかったんだ。彼女にはすまないと思ってる」
慎也はうな垂れて、言葉も弱々しかった。
そんな慎也の姿がいたたまれず、イズミはテープ越しにカレの腕に手を当て、こう言葉をかけた。
...
「うん、わかった。もういいよ。慎也は自分に正直だったんだよ。アユムの病気のことを知って、あなたは寄り添ってあげたい気にもなったけど、それだけで結婚までしても、うまくいかないかもしれないと…。そういう気持ちだったんだよね?」
「ああ、それもオレの正直な気持ちだった…」
イズミはそんな、不器用で自分や自己の抱える弱さをを隠さない、慎也の誠実さが好きだった。
「ねえ、抱いて‥。慎也…」
彼女がそう言った時にはもう、テーブルを挟んだカレの胸に体をもたれていた…。
「アユムにオレ達のこと話せなかったのは、オレも責任を感じてる。もっと早く告げるべきだったと後悔してるしな。お前にも申し訳ないよ。ふう…」
「慎也…。それより、あなたはジュリとことを話すべきだったじゃあないの。それを彼女は一番…、うっ、うっ…」
ここでイズミは涙を抑えることができず、嗚咽した。
慎也はリビングチェストからハンドタオルを手に取り、彼女に差し出すと、小声で語りかけた。
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「…パリで会った時にも話したが、今でもオレはジュリにクスリを混ぜられたと思ってる、気がついたらベッドの上で獣のように抱きあってたんだ。これは事実だよ。それと、彼女の体が最高だったのも…」
「つまり、こと体に限っては、アユムよりもジュリの方がってことなんだよね」
「ああ…、以前そっちに言った通りさ。アユムの体が物足りないって気持ちはさ、正直あった。ジュリが周りに言い回ってたことはオーバーだけど、すべて否定できるまでの自信はなくて、そのまま、アユムとはなんとなくな。結局、そのことで結婚まで踏み切れなかったのは事実だ。それを、後ろめたく思ってたんだろうな…。彼女にはとうとう言えなかったよ。結局、勇気がなかったんだ。彼女にはすまないと思ってる」
慎也はうな垂れて、言葉も弱々しかった。
そんな慎也の姿がいたたまれず、イズミはテープ越しにカレの腕に手を当て、こう言葉をかけた。
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「うん、わかった。もういいよ。慎也は自分に正直だったんだよ。アユムの病気のことを知って、あなたは寄り添ってあげたい気にもなったけど、それだけで結婚までしても、うまくいかないかもしれないと…。そういう気持ちだったんだよね?」
「ああ、それもオレの正直な気持ちだった…」
イズミはそんな、不器用で自分や自己の抱える弱さをを隠さない、慎也の誠実さが好きだった。
「ねえ、抱いて‥。慎也…」
彼女がそう言った時にはもう、テーブルを挟んだカレの胸に体をもたれていた…。