都市夢ーとしむー
その5/無音の開演ベル
イズミの頭の中はパニクっていた。
気が付くと、満員の電車の中から、慎也にラインを打ち込んでいた。
≪あの夢が来たよ、今!
電車の中に。
恐いよ、慎也…≫
明け方まで一緒だった志田慎也からのリターンはすぐに届いた。
≪落ち着け、イズミ。
会社着いたら、会って聞かせてくれ≫
≪わかった。
朝のミーティング終わったら、6階の書庫に行ってる≫
≪了解。
オレが着いてる。
一緒に解決していこう。
故に、心配無用!≫
これだけのやり取りでも、イズミにとっては百万の援軍を得たくらいに心強かった。
”焦っちゃダメだ。まずは慎也としっかり状況を精査よ。うん…”
通勤列車に揺られながら、彼女は自分自身にそう言い聞かせていた。
...
”始まったわ。ううん…、私がとりかかったってこと。さあ、一斉に蠢くわ。私のお気に入りの巣に集う人間たちプラス人間を捨てた女ひとりが…”
リカはついにサイを投げた。
このことが、今までとの人間たちと己の関係を劇的に一変させると承知した上で…。
すなわち、400年に渡るあっちの時間を漂ってきたリカが新たな段階を踏む意思を以って。
”さあ、開演のベルは鳴ったわ。ジュリ、ここからはアンタ次第よ。なんとしても期待に応えてもらわ。ふふふ…”
かくて、女魔人の”禁断の脱皮”によって、人間たちとのカベは事実上取り払われることとなる…。
イズミの頭の中はパニクっていた。
気が付くと、満員の電車の中から、慎也にラインを打ち込んでいた。
≪あの夢が来たよ、今!
電車の中に。
恐いよ、慎也…≫
明け方まで一緒だった志田慎也からのリターンはすぐに届いた。
≪落ち着け、イズミ。
会社着いたら、会って聞かせてくれ≫
≪わかった。
朝のミーティング終わったら、6階の書庫に行ってる≫
≪了解。
オレが着いてる。
一緒に解決していこう。
故に、心配無用!≫
これだけのやり取りでも、イズミにとっては百万の援軍を得たくらいに心強かった。
”焦っちゃダメだ。まずは慎也としっかり状況を精査よ。うん…”
通勤列車に揺られながら、彼女は自分自身にそう言い聞かせていた。
...
”始まったわ。ううん…、私がとりかかったってこと。さあ、一斉に蠢くわ。私のお気に入りの巣に集う人間たちプラス人間を捨てた女ひとりが…”
リカはついにサイを投げた。
このことが、今までとの人間たちと己の関係を劇的に一変させると承知した上で…。
すなわち、400年に渡るあっちの時間を漂ってきたリカが新たな段階を踏む意思を以って。
”さあ、開演のベルは鳴ったわ。ジュリ、ここからはアンタ次第よ。なんとしても期待に応えてもらわ。ふふふ…”
かくて、女魔人の”禁断の脱皮”によって、人間たちとのカベは事実上取り払われることとなる…。