都市夢ーとしむー
その3/朗報
「清田君…、今夜、臨時役員会だそうだ。おそらくその場でルルーヌ事案が採決される…」
「部長…、やけに早いですね」
「まあ、急いだってことだ。こっちサイドが…。業推企画が動いてるのは承知してたからな。江副常務に時間を与えたら打って出られる。…社長派としてもそこを警戒してのことだろう」
イズミも、海外営業部がルルーヌとの事業提携が役員間のパワーゲームに関与されていることは、ある程度認識していた。
「…そこで、清田君…。君の昇格は2ステップ上ってことになると思う」
”ウソでしょう?課長をとばして次長補佐ポストってなれば、女性初だし、私みたいな30そこそこがまずいよ…”
...
「えー…?あのう、でも…」
「はは…、君らしくないな。…承知のことと思うが、江副常務が我がセクションに対抗して、対ヘンネルの仕切り直しを考えている。その際、新たに別部署を起ち上げ、次長補佐に相当するポスト設けると…。そこのアタマには君と同期の影山を起用し、一気に昇格も押し通すハラだったらしいんでな。ここは、それの対抗措置も兼ねているんだ。いや…、当然ながら、君の功績を評価して将来を嘱望しての人事には間違いないから、そのつもりで承知しておいて欲しい」
「でも、私なんかに…」
「務まる。我がJリードレンは今後さらに、能力のある女子社員へ活躍のどんどん場を与えていく方針だ。何も”これ”は、江副さんの専売特許じゃあない。清田君にはその先駆者となって、若い後輩をけん引して行って欲しいんだ!」
直属上司はまさに真剣な顔つきだった。
熱意も伝わってくる…。
イズミはその期待の大きさにプレッヤーを感じてはいたが、ルルーヌ提携を成し遂げた自分への高い評価は素直に嬉しかった。
それは、今朝、あの夢で深い不安のどん底に陥ったイズミの曇った心に、間違いなく勇気を与えた朗報だった。
「清田君…、今夜、臨時役員会だそうだ。おそらくその場でルルーヌ事案が採決される…」
「部長…、やけに早いですね」
「まあ、急いだってことだ。こっちサイドが…。業推企画が動いてるのは承知してたからな。江副常務に時間を与えたら打って出られる。…社長派としてもそこを警戒してのことだろう」
イズミも、海外営業部がルルーヌとの事業提携が役員間のパワーゲームに関与されていることは、ある程度認識していた。
「…そこで、清田君…。君の昇格は2ステップ上ってことになると思う」
”ウソでしょう?課長をとばして次長補佐ポストってなれば、女性初だし、私みたいな30そこそこがまずいよ…”
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「えー…?あのう、でも…」
「はは…、君らしくないな。…承知のことと思うが、江副常務が我がセクションに対抗して、対ヘンネルの仕切り直しを考えている。その際、新たに別部署を起ち上げ、次長補佐に相当するポスト設けると…。そこのアタマには君と同期の影山を起用し、一気に昇格も押し通すハラだったらしいんでな。ここは、それの対抗措置も兼ねているんだ。いや…、当然ながら、君の功績を評価して将来を嘱望しての人事には間違いないから、そのつもりで承知しておいて欲しい」
「でも、私なんかに…」
「務まる。我がJリードレンは今後さらに、能力のある女子社員へ活躍のどんどん場を与えていく方針だ。何も”これ”は、江副さんの専売特許じゃあない。清田君にはその先駆者となって、若い後輩をけん引して行って欲しいんだ!」
直属上司はまさに真剣な顔つきだった。
熱意も伝わってくる…。
イズミはその期待の大きさにプレッヤーを感じてはいたが、ルルーヌ提携を成し遂げた自分への高い評価は素直に嬉しかった。
それは、今朝、あの夢で深い不安のどん底に陥ったイズミの曇った心に、間違いなく勇気を与えた朗報だった。