都市夢ーとしむー
その7/公園にて


イズミは直球勝負に出た。

「郡司さん、影山さんの企みは二人で潰さない?」

「どういう意味ですか?」

彼は特段動揺していない様子だが、イズミにはますますもって、その不自然さが伝わる思いだった。
それは…、彼が自分の感情が殺されていることを意識できないでいるような…。
要は、何がしかにマインドコントロール的な呪縛を受けていると…、そう思えてならなかった。

...

「あなた、昨日私に言ったわよね。”確かに伝えた。役目は終えた”と…。それ、前後の文脈からは、ジュリに言われたとおりのことを私に話した。そういうことになるわよ。違う?」

「いえ、清田さんのおっしゃる通りです」

ここでも彼は”機械的”な物言いだった。

「じゃあ、私を貶めることとか、アユムが自宅で死亡した前日にジュリと二人で総務課のフロアで会っていたこと、その後屋上に駆けあがって、アユムが転落したのをあなたが目撃したこと…。それも私に話すように言いつかったのね、あなたは!」

イズミは強く理詰めで郡司に迫った。

”全く表情を変えないわ、この人…。さあ、返事はどうなの、郡司君、聞かせてもらうわよ!”

...


「それもあなたの言のままです。影山さんが原さんと会社で会っていたこと、屋上から原さんが落っこちる瞬間を目撃したこと、それを見おろす影山さんと僕の目が合ったこと…、全部です」

まさしく淡々とだった。
そのものズバリ、郡司ヒサシは全部認めたのだ…。

「ふう‥、一応聞くわよ。ジュリにとっては、今のこと全部、私に知られたら不都合でしょ、どう考えたって。それをなぜ、あなたに遣わせて私にチクらせたりなんかするのよ。まず郡司さん、あなたがこのことをどう考えてるか答えて!」

「あの人が考えてることは恐ろしいことなんですよ!すべてはわかりませんが…。とにかく怖いんです、あの人。実はこのことを命令されたのは、あの人が僕の住んでるアパートの部屋に押しかけてきて、体を犯した後なんです」

「!!!」

いい加減、イズミの頭はおかしくなりそうだった…。




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