都市夢ーとしむー
決起せし者たち
その1/決意を共に…
公園から郡司が去ったあとは、すぐに慎也との打合せに入った。
二人は敢えてそのままの距離で、通話中となったままのスマホを耳に当てた。
「慎也…、聞いての通りよ。今週の金曜夜にジュリとははっきりさせる。危険を伴ってるのは十分承知の上で…。私は決めたよ」
『ああ…。こなりゃ、それしかない…。でもさ、スゲエ現場だったが、お前、大丈夫か?』
「ええ‥。もう腹は座ってるし、概ね想像してたことが見えてきたんだし‥」
『うむ…。今の一部始終を聞いて確信を持ったわ。ジュリ、ヤバイとこ行っちゃってる。金曜はどうやって臨むか、二人でしっかり対策を練ろう。とにかく、あの黒いスーツの女はジュリと接点ができてる。こっちももっと情報を集めて備えよう』
「うん…。ごめんね、慎也を危険なことに巻き込んじゃって」
『いや‥、今、オレたちの目の前の問題は、アユムの件とも一連なのはまず間違いないし、最初からオレ自身、無関係ではいられなかったんだ…』
「慎也…」
...
『じゃあ、オレは遠回りで会社戻るから…。ちょっと、ネタの当てがあるんで、今日動いてみるわ』
「うん、私もいろいろ情報集めるよ」
『ああ。だが、これからは責任ある立場に就くんだし、あまり無理するなよ』
「ありがとう‥」
と…、その時だった。
30M程離れた木陰の下に立っていた慎也の後ろに、いつの間にか黒い影が現れたのを、イズミの両目が捉えたのだ!
...
それは、人の身長ほどの高さだった。
”あれ…、黒いスーツの女!”
「慎也ー、現れたわ!後ろよー!」
イズミは彼の元に駆け寄る衝動を抑え、耳に当てているスマホに向かって叫んだ。
『えっ?どうしたんだ、イズミ…。後ろって…』
慎也はすっと後ろを振り返った。
『何もいないぞ…』
確かに瞬きしてる間に黒い影は消えた。
だが、イズミには疑いようもなかった。
”あの女、私たちをマークしてる…”
...
その後、慎也が去ったあと、イズミはしばらく彼が待機していた木陰を注視していた。
”あの女と例の夢が私の前に現れた限りは、もう逃げることはできない…”
そして彼女は、おそらくジュリと手を結んでいるであろう、妖しい魔物のような女とも対決を避けられないと、自らに言い聞かせるのだった…
その1/決意を共に…
公園から郡司が去ったあとは、すぐに慎也との打合せに入った。
二人は敢えてそのままの距離で、通話中となったままのスマホを耳に当てた。
「慎也…、聞いての通りよ。今週の金曜夜にジュリとははっきりさせる。危険を伴ってるのは十分承知の上で…。私は決めたよ」
『ああ…。こなりゃ、それしかない…。でもさ、スゲエ現場だったが、お前、大丈夫か?』
「ええ‥。もう腹は座ってるし、概ね想像してたことが見えてきたんだし‥」
『うむ…。今の一部始終を聞いて確信を持ったわ。ジュリ、ヤバイとこ行っちゃってる。金曜はどうやって臨むか、二人でしっかり対策を練ろう。とにかく、あの黒いスーツの女はジュリと接点ができてる。こっちももっと情報を集めて備えよう』
「うん…。ごめんね、慎也を危険なことに巻き込んじゃって」
『いや‥、今、オレたちの目の前の問題は、アユムの件とも一連なのはまず間違いないし、最初からオレ自身、無関係ではいられなかったんだ…』
「慎也…」
...
『じゃあ、オレは遠回りで会社戻るから…。ちょっと、ネタの当てがあるんで、今日動いてみるわ』
「うん、私もいろいろ情報集めるよ」
『ああ。だが、これからは責任ある立場に就くんだし、あまり無理するなよ』
「ありがとう‥」
と…、その時だった。
30M程離れた木陰の下に立っていた慎也の後ろに、いつの間にか黒い影が現れたのを、イズミの両目が捉えたのだ!
...
それは、人の身長ほどの高さだった。
”あれ…、黒いスーツの女!”
「慎也ー、現れたわ!後ろよー!」
イズミは彼の元に駆け寄る衝動を抑え、耳に当てているスマホに向かって叫んだ。
『えっ?どうしたんだ、イズミ…。後ろって…』
慎也はすっと後ろを振り返った。
『何もいないぞ…』
確かに瞬きしてる間に黒い影は消えた。
だが、イズミには疑いようもなかった。
”あの女、私たちをマークしてる…”
...
その後、慎也が去ったあと、イズミはしばらく彼が待機していた木陰を注視していた。
”あの女と例の夢が私の前に現れた限りは、もう逃げることはできない…”
そして彼女は、おそらくジュリと手を結んでいるであろう、妖しい魔物のような女とも対決を避けられないと、自らに言い聞かせるのだった…