都市夢ーとしむー
その2/湧き上がる憎悪
イスから立ち上がって感情をあらわにしたアユムに、ジュリはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「あのね…。私達、推進企画や営業の部署はさ、総務みたいに与えられた仕事をちんたらこなしてりゃ給料もらえるような眠たい連中とは違うのよ!この会社を支えてるんだって」
ジュリは完全に開き直り、これでもかと総務課を見下した発言にまで及んだ。
「それを、よりによって営業部の後輩を捕まえてとっとと寿退社?フン、ふざけるなって言いたいわよ」
ジュリは唇を噛んで目に涙を浮かべるアユムに、その本音を機関銃のように浴びせていた。
それは情け容赦なく…。
...
”なんて女なの!許せない…!”
「あなたはどこまで心が汚い女なの!まさか、ここまで酷いことを口にするなんて…」
ジュリの評判はこれまで散々耳にしていたアユムだったが、どこか彼女の噂はちょっと大げさだろうという気持ちが働いていた。
それだけに、こうも面と向かってあからさまに言いたい放題で突きつけられると、いささか驚きの念も抱かざるを得なかった…。
...
「同期で6年も同じ会社にいて、今更驚くなんてね。アハハハ…、おめでたいったら、ありゃしないわ。私達毎日、外に出て第一戦の修羅場で揉まれてるの。リアリストになるのは自然よ。きれいごとだけじゃ生きていけないって」
「とにかく謝って!結婚寸前だった私たちの仲を自分がぶち壊したって」
「アユム、さっきその口で出した言とは違うじゃない。事実だと認めれば、昔のことはとやかく言わないんじゃなかったの?」
ジュリはやや首をやや斜めにして、下からアユムの顔を撫で上げるように覗き込むと、”ふん…!”という一言が侮蔑しきったようにその口から洩れた。
イスから立ち上がって感情をあらわにしたアユムに、ジュリはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「あのね…。私達、推進企画や営業の部署はさ、総務みたいに与えられた仕事をちんたらこなしてりゃ給料もらえるような眠たい連中とは違うのよ!この会社を支えてるんだって」
ジュリは完全に開き直り、これでもかと総務課を見下した発言にまで及んだ。
「それを、よりによって営業部の後輩を捕まえてとっとと寿退社?フン、ふざけるなって言いたいわよ」
ジュリは唇を噛んで目に涙を浮かべるアユムに、その本音を機関銃のように浴びせていた。
それは情け容赦なく…。
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”なんて女なの!許せない…!”
「あなたはどこまで心が汚い女なの!まさか、ここまで酷いことを口にするなんて…」
ジュリの評判はこれまで散々耳にしていたアユムだったが、どこか彼女の噂はちょっと大げさだろうという気持ちが働いていた。
それだけに、こうも面と向かってあからさまに言いたい放題で突きつけられると、いささか驚きの念も抱かざるを得なかった…。
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「同期で6年も同じ会社にいて、今更驚くなんてね。アハハハ…、おめでたいったら、ありゃしないわ。私達毎日、外に出て第一戦の修羅場で揉まれてるの。リアリストになるのは自然よ。きれいごとだけじゃ生きていけないって」
「とにかく謝って!結婚寸前だった私たちの仲を自分がぶち壊したって」
「アユム、さっきその口で出した言とは違うじゃない。事実だと認めれば、昔のことはとやかく言わないんじゃなかったの?」
ジュリはやや首をやや斜めにして、下からアユムの顔を撫で上げるように覗き込むと、”ふん…!”という一言が侮蔑しきったようにその口から洩れた。