堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 羽希の両目が潤む。

「ごめんなさいっ……」

「たくっ……」
 俺がそう言うと、うう~、と泣き出す羽希。

 少し慌てる俺。

「おい!?」

「へたくそっ言われたっ……」

 俺は、はぁ、とため息をつく。

「ばかっ。非難されたくらいで泣いてんじゃねぇよ」
「非難されるのは良いことなんだぞ?」

「良いことっ……?」

「ああ。本当に下手なら、そもそも、誰も見ないし読まないし興味も持たないだろうしな」

「ほんと? じゃあ、わたし、文章下手じゃないの?」

「いいや、下手だな」
 俺がそう言うと、羽希はずぅ~~ん、とへこむ。

 あ、へこんだ。
 面白い。

「蓮翔っ」

「なんだよ?」

「わたしっ……悔しいっ……」

「は?」

 羽希の両目からぽろぽろと涙が零れ落ちる。
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