堕落シンデレラは秘密に同居する。👠


 歩きだと15分かかるところ、5分でコンビニに着いた。

「はぁっ、はぁっ……」

 苦しいっ……。
 心臓がバクバクしてるっ……。

 わたしは乱れた呼吸をしたまま、コンビニに入る。

 冷えピタや飴、スポーツドリンク、カロリーエイトをレジに持っていく。

 店長はびっくりする。

「あれ、石黒君の妹さんじゃないか」
「顔真っ白だけど、大丈夫か?」

 わたしはコクンッと頷くと、
 鞄を開け、財布を取り出す。

 店長は心配そうな表情を浮かべながらも清算し、ビニール袋に商品を詰める。

 わたしはその袋を手に取ると、鞄のチャックも閉めずに走ってコンビニを出る。

 寮を目指して全力で走るわたし。

 寮が見えたところで、どん、と誰かにぶつかった。

 開いた鞄からスマホが地面に落ちる。

「はぁっ……はぁっ……」
 わたしは息を切らす。

「いってぇなぁ」
< 112 / 256 >

この作品をシェア

pagetop