堕落シンデレラは秘密に同居する。👠
「うう」
「安心しろ。今日限定だから」
「今日限定?」
「ああ。今日乗り切れば今まで通りだ」
今日乗り切れば今まで通り……。
「わ、分かった。なるよ」
「そうと決まれば、シャワー浴びてくる」
「えっ、でも、蓮翔熱あるんじゃ?」
「も~下がった」
「ほんとに?」
「でこ、触ってみ?」
わたしは蓮翔のおでこに右手を当てる。
「冷たい……」
「だろ?」
「で、でも、お母さんが来るからってわざわざシャワー浴びる必要ないと思うけど……」
「くっせぇ、お前とはちげぇの」
「なっ……!?」
ム、ムカツクッ!!
「じゃ、浴びてくる。お前は着替えろよ」
蓮翔はお風呂に向かう。
わたしは蓮翔に背を向け、はぁっとため息をつく。
蓮翔は服を脱ぎ、お風呂の中に入る。
シャワー音が聞こえてきた。
パジャマが良いのに……。
着替えるの面倒だな……。
でも、パジャマ姿でお母さんをお迎えする訳にはいかないし……。
わたしは渋々、兎の顔がついたTシャツとズボンに着替える。
トントンッ。
外から扉を叩く音が聞こえた。
え? 誰?
「羽希、開けてっ。お母さんよ」