堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 わたしの両目が潤む。

「なるから……ね……」

「何泣いてるの」

「な、泣いてないっ!」

「はいはい」

 お母さんはふぅ、と息を吐くと、
 わたしの頭をぽんぽんする。

「頑張るのは良いけど、無理しない程度にね」
「羽希が人気小説家になるの楽しみにしてるわ」

 お母さんっ…………。 

 お母さんはわたしから離れ、立ち上がる。

「じゃあ、帰るわね」
「私が出たらちゃんと鍵かけるのよ。それから………」

 お母さんは蓮翔を見る。


「蓮翔君、子供はまだ作るの早いからね」


 はああああ~~~~!?!?

 わたしの顔が、かぁっ、と熱くなる。

「はいっ」
 蓮翔は爽やかに言う。

 何が、はい、だ~~!!

「宜しいっ」
 お母さんはそう言うと、玄関まで歩いていく。

 そして、靴を履いて出て行った。

「……ねぇ、蓮翔」
 わたしは痺れた足に手を当てながら話しかける。

「ん?」
 蓮翔はパクパクとケーキを食べながら聞き返す。
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