堕落シンデレラは秘密に同居する。👠


 それから20分後。神社の前に着いた。

「人、多いね」

「当たり前だろ」

「何食う?」

「丸いお好み焼き」

「そうか。探すか」

 蓮翔はわたしの右手を握り締めたまま、神社の中に入っていく。

 多くの人を避けながら歩いていくわたし達。

「あったぁっ!」

「おおっ! って……鉄板にお好み焼きなくね?」

「え」

「すみません、お好み焼き2枚欲しいんですが」
 蓮翔は爽やかに笑いながら、ポニーテールのおばちゃんに話しかける。

「ごめんね~、まだ、焼けてないのよ~。後で来てくれる~?」

「分かりました」

「焼けてないのかぁ」

 わたしは少しガッカリする。

「まぁ、後でまた寄ればいいじゃん。他に食べたいものとかは?」

「特に」

「じゃあ、やりたいこと!」

「やりたいこと? う~んと……」

 わたしはキョロキョロと屋台を見る。
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