堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 2つのパックをビニール袋に入れると、おばちゃんが「600円ね」と言った。

 蓮翔はズボンのポケットの中から1000円を取り出し、手渡す。

「おつり400円ね」

 おばちゃんからおつりと2パック入ったビニール袋を受け取る蓮翔。

「ありがとね~~!!」
 おばちゃんがにっこり笑って言う。

 わたしの顔がぱああっと明るく輝く。

「お、美味しそうっ!!」

「やっぱ、今、ここで食べる?」

「ううん、寮でいいよっ!」

「じゃ、ダッシュで帰るか」

「うんっ」


「……蓮翔君?」


 蓮翔は声を聞き、固まる。

 わたしはゆっくり振り返ると、浴衣を着た女子が立っていた。
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