堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 わたしはボソッと言う。
 蓮翔に今の言葉が聞こえてたかは分からない。

 蓮翔はただ黙ってわたしの背中をさするだけだった。

 その後、わたしは蓮翔に支えてもらって鍵を開けて部屋の中に入り、
 少しベットで休んでから、一緒にお好み焼きを食べた。

 わたしの顔がぱああっと明るくなる。

「お、美味しいっ!!」

「うん、美味いな」

「蓮翔の料理より100倍美味しいっ!!」

「喧嘩売ってんのか?」

「うんっ」

「うんって……」

 蓮翔は、はぁ、とため息をつく。

「マジ良かったわ。元気になったみたいだな」

「うん、お好み焼きのおかげでねっ!」

「あ?」

 わたしはふふっ、と笑う。

「ねぇ、兎人」
 わたしは開いたパックのお好み焼きを見ながら話しかける。

「ん?」

「いつか……、話してね」

「は? 何を?」

「話してね……」

「意味分かんねぇっ」
 蓮翔はそう言って、箸でお好み焼きを切って食べる。

 わたしは窓から外を見る。
 外は雨がまだ降り続いていた。
< 151 / 256 >

この作品をシェア

pagetop