堕落シンデレラは秘密に同居する。👠
わたしはボソッと言う。
蓮翔に今の言葉が聞こえてたかは分からない。
蓮翔はただ黙ってわたしの背中をさするだけだった。
その後、わたしは蓮翔に支えてもらって鍵を開けて部屋の中に入り、
少しベットで休んでから、一緒にお好み焼きを食べた。
わたしの顔がぱああっと明るくなる。
「お、美味しいっ!!」
「うん、美味いな」
「蓮翔の料理より100倍美味しいっ!!」
「喧嘩売ってんのか?」
「うんっ」
「うんって……」
蓮翔は、はぁ、とため息をつく。
「マジ良かったわ。元気になったみたいだな」
「うん、お好み焼きのおかげでねっ!」
「あ?」
わたしはふふっ、と笑う。
「ねぇ、兎人」
わたしは開いたパックのお好み焼きを見ながら話しかける。
「ん?」
「いつか……、話してね」
「は? 何を?」
「話してね……」
「意味分かんねぇっ」
蓮翔はそう言って、箸でお好み焼きを切って食べる。
わたしは窓から外を見る。
外は雨がまだ降り続いていた。