堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 制服のネクタイが少し曲がっている蓮翔が言う。

 かあっと顔が熱くなるわたし。

 蓮翔はわたしの隣に足を伸ばして座る。

「だっ、だって蓮翔が取……」

 トンッ。

 えっ……。

 蓮翔が自分の両膝にわたしを乗せる。

 ぎゅっとわたしを後ろから抱き締める蓮翔。

「…………!?」

「……先生のせいだからな」
 蓮翔は耳元で囁く。

「ばっ……ばかぁっ……」
 私は小さな声で叫ぶ。

「そんなこと言って良いのかな?」

 蓮翔はわたしの体の向きを自分の方に向けさせる。

「もう……だめっ……」

「だったら、このまま少し、寝れば?」

 こ、こんな体制で、ね、寝れるかああああああっ!!!!

「そ、そんなの無理っ……」

「じゃあ、俺が寝かせてやるよ」

 兎人はそう言うと、前から右手で私を優しく抱き締め、左手で頭から髪を撫でていく。


「これで、午後の授業もばっちりだな」


 ばっちりなのはお前だけだろおおおおおおおおっ!!
 わたしはむしろ、余計、疲れたんだけど!?!?!?

「もう……疲れたっ……」

「じゃあ、寝な?」

「もうっ……ばかぁっ……」

 わたしはそう言いつつも眠りについた。
< 163 / 256 >

この作品をシェア

pagetop