堕落シンデレラは秘密に同居する。👠
わたしは両目を閉じる。
「寝るなっ!」
蓮翔はわたしの頭に軽くチョップする。
「痛っ!!」
わたしが顔を上げると、
「帰るぞ!」
蓮翔はわたしの鞄を左肩にかけ、スタスタと歩き出す。
「待ってよ~~!!」
わたしは椅子から立ち上がり、蓮翔を追いかける。
教室を出て廊下を歩くと、
「蓮翔っ! もう帰るのか?」
男子が前から声をかけてきた。
ドキッとするわたし。
黒色のふわふわの髪に吸い込まれそうな瞳……。
体つきは細いけど、身長は蓮翔より少し高い……。
れ、蓮翔よりカッコイイかも……。
「ああ、帰るよ。詩朗は?」
「僕は図書室で本読んでから帰ろうかと思ってるよ」
「そっか」
し、しろう………!?
凄い名前………!!
てか、図書室で本……!?
堕楽高校にも、こんな真面目な生徒いるんだ…………。
「蓮翔、気をつけて帰りなよ」
「お前に心配されたくねぇよ」
「なんだと!?」
男子はそう言いつつ、笑う。
この2人、仲良いのかな……?
「羽希ちゃんもまた明日ね」