堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 美術は5,6限連続で行われる。

「今から、出席番号の前後で2人ペアになって、お互いの顔を描いて下さい。出来たら先生に提出して下さい」
 美術の先生が言った。

 先生は男性で眼鏡をかけており、髪はパーマがかかっていて、ふわふわしている。

 わたしと蓮翔は、まるでお見合いのように、お互いの顔を無言でじぃ~~~っと見つめる。

 そして、わたし達は鉛筆を同時に持ち、画用紙に描き始める。

 ブッサイクに描いてやりたいけど、
 高校ではモテモテのイケメン設定? 
 になってるし仕方ない。

 かっこよく描いてやろうじゃないか。

 そして、6限の終わり。
 わたしと蓮翔はお互いに絵を見せ合う。

 わたし達はお互いに衝撃を受ける。

 蓮翔、絵上手っ!!!!
 わたし、こんな美女だっけ!?!? 
 凄すぎっ!!!!

「…………羽希」

「ん?」

「これ、誰?」

「蓮翔だけど?」

「…………」
 蓮翔はもう何も言わなかった。

 な、なんだろう?

 わたし達は先生に絵を提出に行く。

「どれどれ……」

 先生はわたし達の絵をそれぞれ見る。

「石黒君、キミ、美術の才能あるね。俺につかない?」
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