堕落シンデレラは秘密に同居する。👠


「羽希、大丈夫?」
 蓮翔が声をかけてきた。

 体育と帰りのHR(ホームルーム)が終わり、生徒達がぞろぞろと教室から出ていく中、
 わたしは昨日と同じく、机の上にある鞄に顎を乗せ、ぐったりしていた。

「昨日より、辛そうだね」

「筋肉痛で動けない……」

「もう筋肉痛になったとか終わってるね、羽希……」

「羽希ちゃんっ!! 大丈夫か!?」
 詩朗くんが話しかけてきた。

「なんでお前が来るんだよ?」
 蓮翔が小声で言う。

「来たっていいだろ。蓮翔に拒否権はない」

「は?」

「羽希ちゃんが元気だったら、図書室で小説のこととか話そうと思ってたんだけど、無理だね……」

 小説……!? 

 わたしは顔をバッと上げる。

「行くっ!!」

「行くのかよ、筋肉痛はどこへ……」
 蓮翔がボソッと言う。

「でも羽希ちゃん、体調悪いんだろ?」
「無理しちゃ……」

「大丈夫っ! 図書室行こうっ!」

 詩朗くんは蓮翔の顔を見る。

「少しだけならいいよ」

「蓮翔、ありがとう」

 詩朗くんは優しく笑う。

「別に……」

「じゃあ羽希ちゃん、行こうか」

「うんっ!!」

 わたしは3人で図書室に向かった。
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