堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 …………あれ? 
 なんか、景色がぐるぐる回って…………。

 わたしは雛乃ちゃんに倒れ掛かる。

「羽希!?」

 雛乃ちゃんはびっくりする。

 だめだよ……、まだ試合終わってないのに……。
 帰りのHR(ホームルーム)も出ないと卒業出来なくな…………。

「ちょっと羽希っ!?」
「大丈夫!?!?」

 雛乃ちゃんが叫ぶと、蓮翔はラケットを持ったままわたしを見る。


「羽希っ!!!!」


 叫んだ蓮翔の右手からラケットが滑り落ち、地面に倒れる。

「蓮翔、今すぐラケット拾いなよ」

 蓮翔は詩朗くんを見る。

「それとも、試合放棄するつもり?」
「蓮翔、良いの?」
「試合放棄したら僕の勝ちになるよ」


「良いに決まってんだろっ!!」


 蓮翔が必死な声で叫ぶと、
 詩朗くんは(ひる)む。
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