堕落シンデレラは秘密に同居する。👠
「居間のゲージにいるわよ」
俺は居間まで歩く。
「……!」
俺はゲージを見るなり、驚く。
オレンジとブルーのホーランドロップが、もんもんと鼻を動かしている。
ホーランドロップとは、可愛らしい垂れ耳と平たい顔が特徴的の小型兎のことである。
「兎がもう一羽増えてる……!?」
家出る前は、オレンジのウソツキしかいなかったのに……!!
「あ~、蓮翔が出ていってから、兎を友達にもらってね」
「マジか」
「父さんも母さんも、ひらがなで、れんと、って呼んでるわ」
姉さんはきらん、と両目を輝かせながら言う。
れんとって……。
「俺の名前じゃん!!」
「蓮翔は兎になったってことに今ではなってる」
「なんだそれっ」
「ちなみに、2人の兎の名前くっつけて読むと、ウソツキれんとになるわ」
「喧嘩売ってんのか?」
「と~に~か~くっ」
姉さんは俺の右耳を掴む。
「私の部屋で今までのこと、みっちり聞かせてもらいましょうかね」
姉さんはそう言うと、俺の耳を掴みながら歩き出す。
「いてえっ! 離せぇ~!」