堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

 そう言ってからハッ! と我に帰る俺。

 俺、何言ってっ…………。

 父さんはきょとんとする。

「粉被りとは一体、誰だ?」

 俺は胸倉から手を離す。
 顔が、かあっと熱くなる。

 俺は右腕で顔を隠す。

 ついカッとなって叫んだものの、
 俺、あいつの事、本気で好きなのか……。

 今更自覚した俺。 

 てか、何、父さんに告ってるんだ俺……。

 恥ずかしすぎる。
 消えたい。

 姉さんが、ふふっと笑う。 

 笑うなあああああああっ!!!!

「蓮翔、父さんに告ってどうするのっ!」
「本人にちゃんと告らなきゃっ!」
 姉さんがそう言って俺に近づいてきた。

 うるせえええええ。

「羽希ちゃんとこ今すぐ行きなさいっ!」

「はっ!?」

「羽希ちゃんのことは、私から話しとくから。ほらほらっ」

 俺は姉さんに背中をぐいぐい押される。

 押すなあああああっ!!!! 

 そう思いながらも、ふ、と笑う俺。

「ありがと、姉さん」

 俺はそう言うと、鞄を右肩にかけてキッチンを出て行く。
 そして、玄関で靴を履き、走って家を出る。

 まだ早いし、高校は羽希の部屋から行けば大丈夫だな。
 てか最悪、休めばいいし。

 ……そういや、今日、大賞のエントリー締め切りだったな。
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