堕落シンデレラは秘密に同居する。👠
「夢じゃねぇっ!! 現実だ!!!!」
「そっか……良かっ……ゴホゴホッ!!」
「おい、大丈夫か!?」
「……たよ」
「あ? 聞こえねぇっ!!」
「でき……たよっ……」
「出来たって何が……」
俺がそう言うと、羽希はノーパソを指差す。
俺は羽希を支えながら、ノーパソのマウスを動かす。
パッと画面が輝き、ワードの画面が表示され、完結の文字が見えた。
「これって、大賞にエントリーする奴?」
コクンッと頷く羽希。
そうか。
これが……ついに、完成したのか…………。
出来れば今すぐ読みたいが、今はそんな場合じゃない。
「でも……」
「なんだよ?」
「まだ……」
「まだ、何?」
「エントリー……出来てな……ゴホゴホッ!!」
羽希は、ゼェゼェ、とすごく苦しそうだ。
「もう何も話すな!!」
「今から救急車呼ぶから!!」
俺は羽希を支えたまま、鞄のファスナーを開けてスマホを取り出す。
そして、119番に電話をかけた。