堕落シンデレラは秘密に同居する。👠


 ぷしゅ~と羽希が俺に倒れかかってきて、俺は羽希をお姫様抱っこし、保健室に向かう。

 初のお姫様抱っこは正直、恥くて。

 でも羽希の体は、ふわふわしていて、
 まるで子兎を抱き締めてるような感じで、気持ちが良かった。

 できることなら、ずっと抱いていたいと思える程に。

 俺は早足で歩く。

「小説……」
 俺にお姫様抱っこされている状態で羽希はボソッと言う。

 こいつは口を開けば、ほんと、小説ばっかだな。

「ご飯……」

 ご飯って…………どんだけ飢えてんだ。


「蓮翔……食べたい……」


 俺は食いもんじゃねええええええ。

 俺は保健室の前に着いた。

 俺は羽希を見る。
 すやすやと気持ち良さそうに眠る羽希。

 食べたいとか……無意識に誘ってんじゃねぇよ。

「……アホ」

 俺は羽希の右頬に優しくキスをした。


 このことは、こいつには秘密だ。

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