新そよ風に乗って 〜慈愛〜
未来の約束
いきなり高橋さんは腕を引っ張ると、ショップの入り口に私を立たせた。
「目の保養をして、自分の欲求を満たす」
あっ……。
「今日のお前の目的は?」
「アウトレットで、ショッピングを」
「ならば、その目的に全力投球しろ。また直ぐに来られる場所じゃない。思う存分、満喫して心に癒しを与えてやれ」
高橋さん……。
振り返ると、高橋さんが微笑んでいた。
「来たかったんだろう? チェックリストにも、1番最初に印を付けていた此処に」
「えっ? あの、ご存じだったんですか?」
「ああ」
敵わない。高橋さんには、何でもお見通しなんだ。
でも、高橋さんは見たいショップは本当にないのかな?
「あの、でも私だけ行きたいショップばかりにお付き合いさせてしまっていては、申しわけないです。高橋さんの行きたいショップにも、回って下さい。一緒に連れていって下さい。お願いします」
「フッ……大丈夫だ。俺も、此処は来たかったから。見たいものもあるし」
「そ、そうなんですか? それなら、良かったです」
そっと腰を押され、高橋さんに誘われるようにしてショップ内に入ると、所狭しとバッグや小物、壁面にはジャケットやコート等のOUTERWEARが展開されている。
「また、何かあったら声を掛けてくれ」
「はい。ありがとうございます」
高橋さんとショップ内で別れると、またしても一目散に50%OFFのコーナーを見つけて向かった。
日本では、高級ブランドとしてデパートでも路面店でも入りづらいイメージだったが、こちらのショップは、普通に誰でも気軽に入れる雰囲気だったのでホッとした。店員さんも笑顔で迎えてくれて、何だか嬉しくなってしまう。
ううぅ。バッグ欲しくなっちゃう。並んでいるバッグがまるで宝の山に見えてくる。
見ているだけでワクワクしてしまうバッグを眺めていると、店員さんが話し掛けてくれた。
「良かったらぁ、手にとって見てくださぁい。これは、ファスナーが斜めについていてお洒落ですよ」
「は、はい」
カタコトの日本語だったが、サラサラのブロンドの髪を後ろでポニーテールにしている店員さんが、日本語で話し掛けてくれたことに驚いてしまう。ところどころ、英語も混ざっているけれど。それだけ、日本人観光客が多いのかもしれない。
「この付いてるタグから、更に50%OFFね」
「そうなんですか」
「目の保養をして、自分の欲求を満たす」
あっ……。
「今日のお前の目的は?」
「アウトレットで、ショッピングを」
「ならば、その目的に全力投球しろ。また直ぐに来られる場所じゃない。思う存分、満喫して心に癒しを与えてやれ」
高橋さん……。
振り返ると、高橋さんが微笑んでいた。
「来たかったんだろう? チェックリストにも、1番最初に印を付けていた此処に」
「えっ? あの、ご存じだったんですか?」
「ああ」
敵わない。高橋さんには、何でもお見通しなんだ。
でも、高橋さんは見たいショップは本当にないのかな?
「あの、でも私だけ行きたいショップばかりにお付き合いさせてしまっていては、申しわけないです。高橋さんの行きたいショップにも、回って下さい。一緒に連れていって下さい。お願いします」
「フッ……大丈夫だ。俺も、此処は来たかったから。見たいものもあるし」
「そ、そうなんですか? それなら、良かったです」
そっと腰を押され、高橋さんに誘われるようにしてショップ内に入ると、所狭しとバッグや小物、壁面にはジャケットやコート等のOUTERWEARが展開されている。
「また、何かあったら声を掛けてくれ」
「はい。ありがとうございます」
高橋さんとショップ内で別れると、またしても一目散に50%OFFのコーナーを見つけて向かった。
日本では、高級ブランドとしてデパートでも路面店でも入りづらいイメージだったが、こちらのショップは、普通に誰でも気軽に入れる雰囲気だったのでホッとした。店員さんも笑顔で迎えてくれて、何だか嬉しくなってしまう。
ううぅ。バッグ欲しくなっちゃう。並んでいるバッグがまるで宝の山に見えてくる。
見ているだけでワクワクしてしまうバッグを眺めていると、店員さんが話し掛けてくれた。
「良かったらぁ、手にとって見てくださぁい。これは、ファスナーが斜めについていてお洒落ですよ」
「は、はい」
カタコトの日本語だったが、サラサラのブロンドの髪を後ろでポニーテールにしている店員さんが、日本語で話し掛けてくれたことに驚いてしまう。ところどころ、英語も混ざっているけれど。それだけ、日本人観光客が多いのかもしれない。
「この付いてるタグから、更に50%OFFね」
「そうなんですか」