新そよ風に乗って 〜慈愛〜
「また出た。お節介女」
「ハッ? 誰のことかしら? 私は、こう見えてもかなりクールな女なのよ。どうでもいいことには、口出しはしない。だけど、人間って自分のこととなると何も見えなくなっちゃうパターンが多いのよね。自覚の足りない自分をコントロール出来ない人間を見ると、誰かが教えてあげなければいけないでしょ? だから、私は時に社会貢献をしているわけ」
しゃ、社会貢献?
「まあ、最も忠告したところで、そういう人間は聞く耳すら持っていないっていう人が殆どだけどね。ねえ、土屋さん」
「ちょっと。黙って聞いてれば、いい気になって」
「中原。悪いけど、私の席とチェンジしてくれない?」
土屋さんが、頭から湯気が出そうなほど顔を真っ赤にして言い返していることをよそに、折原さんは中原さんに話し掛けていた。
「お疲れ様です。折原さんの席とですか? 構いませんよ」
「ありがとう。それじゃ、よろしくね」
「はい。それじゃ、矢島さん。何かあったら、主計のところに居るから」
「は、はい。ありがとうございます」
中原さんが席を立って主計の方に向かうと折原さんが中原さんの席に座り、何故か折原さんと土屋さんに挟まれて座る形になってしまった。
「主計に中原の同期が居るから、この方が良かったかもね」
折原さん……。
「ハッ? 誰のことかしら? 私は、こう見えてもかなりクールな女なのよ。どうでもいいことには、口出しはしない。だけど、人間って自分のこととなると何も見えなくなっちゃうパターンが多いのよね。自覚の足りない自分をコントロール出来ない人間を見ると、誰かが教えてあげなければいけないでしょ? だから、私は時に社会貢献をしているわけ」
しゃ、社会貢献?
「まあ、最も忠告したところで、そういう人間は聞く耳すら持っていないっていう人が殆どだけどね。ねえ、土屋さん」
「ちょっと。黙って聞いてれば、いい気になって」
「中原。悪いけど、私の席とチェンジしてくれない?」
土屋さんが、頭から湯気が出そうなほど顔を真っ赤にして言い返していることをよそに、折原さんは中原さんに話し掛けていた。
「お疲れ様です。折原さんの席とですか? 構いませんよ」
「ありがとう。それじゃ、よろしくね」
「はい。それじゃ、矢島さん。何かあったら、主計のところに居るから」
「は、はい。ありがとうございます」
中原さんが席を立って主計の方に向かうと折原さんが中原さんの席に座り、何故か折原さんと土屋さんに挟まれて座る形になってしまった。
「主計に中原の同期が居るから、この方が良かったかもね」
折原さん……。