テディベアに生け贄を
ああ、終わった。
ほんとに終わった。
絶対クラスメイトみんなに聞かれた。
たぶん、穴があったら入りたいってこういうことを言うんだろう。なんて、冷静に考えてみる。
うう、普段ならきっとみんな笑ってくれるんだろうけど今はこの張りつめた空気のせいで、誰も笑ってくれない。
ああ、いっその事誰か笑って…
「っふは、最高」
隣で、聞き慣れな声がしたと思って隣を向くと、御簾くんがこっちを向いて笑っていた。
「…へ?、」
なんの事か全く分からず、間抜けな声が出た。
「君、急にお腹鳴らしたと思ったら、絶望的な表情し始めて、目がどんどん死んでくし、ほんとに面白い」
目がどんどん死んでいく…全く自覚がなかった。
ってゆうか!こんな静かな教室でそんな恥ずかしいこと言わないで欲しい…!けど、もちろんそんなことは口に出して言えない。
「…なんか、ごめんなさい?」
とりあえずなんて返すべきかわかんなくて、無視するのもあれだし、とりあえず謝る。
「っふ、なんで謝んの、しかも疑問形」
何故かまた御簾くんのツボに入ったらしく笑い出す。
御簾くんが笑ってる最中に、チャイムがなって、お昼休みの開始を告げる。