テディベアに生け贄を



ずるずる、ずるずる、ふー、ふー


猫舌の私は食堂の出来たて熱々うどんはちゃんと、冷ましてからじゃないと食べれられないからしっかり冷ましてから食べる。


「そういえばさ、名前なんていうの」



いきなり口を開いたと思ったら、そんなつまんなそうなことを言ってくるんだから少し驚く。



「小松です」


あつあつの麺を食べてから答えると、



「じゃなくて、下の名前」


なんて少女漫画に出てきそうなセリフが帰ってくるもんだから、頭が一瞬ストップ。



「、ここです。小松ここ」


ワンテンポ置いて答えながら麺をフーフーして、啜る。


「ん、ここちゃんね」


「ん、げほっげほっ」


「だいじょうぶ?」


なんて、なんてことないように聞いてくるから困る。



男子に名前呼びなんて多分保育園の時以来だから、普通にドキドキする。



それに!あのテディベアの御簾くんが私の下の名前を呼ぶなんて、冷静に考えて普通にやばい。

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