テディベアに生け贄を



上を向いて口を開けて熱を逃すけど、すぐには口の熱は冷めない。



しばらくそうしていると、口の熱がようやく全て逃げて少し余裕が戻る。



麺を噛んで飲み込んで、前を見ると御簾くんが堪えきれんとばかりに肩を震わせていた。


「っちょ、御簾くん!笑わないで…!」


今度こそほんとに恥ずかしすぎる、うどんの熱さと恥ずかしさが相まって顔がまたどんどん赤に染まっていく。



たぶん今は耳たぶまでまかっか。側から見たら猿にしか見えないと思う。



「っふ、しょうがないでしょ」



そう言って、また肩を震わし始める。



今度こそほんとに恥ずかしすぎてどっかに逃げたい。


「ここちゃんって、本当に最高」


なんて褒め言葉か貶し言葉かわからない言葉をもらっても、恥ずかしすぎて今はこれっぽちも嬉しくない。



「今日、暇?」



いきなり笑いながら言うもんだから一瞬びっくり。


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