テディベアに生け贄を
「…たしか暇、です」
ずっと帰宅部の私は放課後柊花ちゃんと遊びに行く約束がなければずっと暇。
「じゃあさ、今から着いて来てよ」
「今から!?」
なんてことないように言ってのけた御簾くんにおどろく。
「うん、今から」
「まだ、授業ってあるよね!?」
「あ、出席したかった?」
もはやサボる前提でこの提案をもちかけてきたのか…
さすが、テディベア。
さすがに、授業をサボるほどの不良じゃないし、サボるほどの勇気もないし、
なにより!!
今年1年間授業を全部出席すると即売り切れる、大人気食堂のカレーパンが必ず10回食べれるという美味しすぎる話があるから、サボる訳にはいかない。
「は、はい」
「んー、わかった」
これで授業にちゃんと出られる、そうホットすると、御簾くんがスマホを取り出して電話をかけ始めた。
たぶん、5コール目とか、御簾くんの電話の相手の人が出たっぽい。
「もしもし、ゆっくん」