あの花の名前は

―保健室―



「大丈夫…では無い、ですよね…。
本当に申し訳ない。私がもっとしっかり助けられていれば…」

「そんなそんな!!あなたのおかげで私は軽傷で済んだんです。あなたには感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。」


彼がいなかったら…。彼に助けられていなければ…。


そう考えると、あの恐怖が蘇る…。

ツー…(涙が伝う)

「…あ…すみません…、…、震えまで…、、」


ぎゅっ、


「へ…、」

「…我慢…、しなくていいです。…思う存分、泣いてください。」

涙が…、止まらない…。

「それは、本当に私たちには想像できないほど怖かったでしょう。恐ろしかったでしょう…。気持ちがわかるなんて言いません。ただ、あなたの気持ちを受け止めます。…」


なんて…、いい人なんだろう…





「もう、大丈夫、、です…。失礼しました。…」

ふぅ…

「ありがとうございました。」

「本当によろしいですか?」

「はい、おかげさまで。」

「それは、よかったです。」

最後にこれだけは…

「それでは私はお邪魔でしょうからこれで失礼いたします。」

「あっ、あの待って!、」

「?どうされましたか?」

「あの、お名前、教えていただいてもよろしいですか?」

「はい、もちろんですよ。」



彼は、耳元へ顔を近づけ…

「私の名前は、瑳懋 蕣(さも しゅん)だよ。」


っ!!////


「君の名前は?」

あっ!、

「えと、私は夓渼 芹(なつみ せり)です。」

「これからよろしくね、セリ。」


キャーーーーーー~!!!!!////

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