空回りアイラブユー【完】
放課後、いつも通り2人並んで教室を出る。
…気まずくないかって言ったら、すごく気まずい。
朝丘は授業中いつもちょっかいを出してくるのに、今日は一度もなかった。
…ずっと隣で寝てた。
でもそれもこれも自分のせい。
今日は素直に!
「ねえ、いつものアイス食べよ?」
帰り道、いつも寄る駄菓子屋が私たちにはある。
そこのアイス、コンビニのアイスより10円くらい安いんだ。
だからよく朝丘と買って食べる。
「…うん。」
乗り気しない様子で返事した朝丘を見て見ないふりして、強引に駄菓子屋に入ってアイスを選び購入する。
「んー、やっぱり美味しいね!」
「……」
私はいつも通りモナカで、朝丘はいつも通りチョコバー。
終始静かな朝丘に、私が傷つけたことの重大さを痛感する。
…泣いちゃ、だめだ。
「「あのさっ」」
被った…
「なに?」
「朝丘が先に言って」
すると朝丘は、大きく息を吸って、
伏せ目がちに、
ああ、きっと良くないことを今から言うんだ。
「…2人で帰るの、今日で最後にしよう。」
確かにそう言った。
「へ?ど、どうして?」