空回りアイラブユー【完】
なんとか日誌を書き終えて、次は職員室に提出するノートの山を持つ。
「重たっ」
そりゃ32人分だもん。重たいよね。
両手で持って歩くのが精一杯、一生懸命バランスを保ちながらなんとか教室を出て、職員室を目指す。
てかもう1人の日直は誰なの!?
なんで2人ともサボるの…
これ、職員室まで持っていけるかな…
それまでに落としてしまいそう。
そんなことを考えていると、目の前のノートと、その重みがふわっと消えた。
何が起こったのかわからなくて慌てて見上げると、
「…朝丘っ」
知らない間に隣にいた朝丘がノートを全部持ってくれていた。
半袖のシャツから覗く、白くて逞しい腕。