②Sparkl
「廉、それは聞いたら野暮だよぉ。昴は桃か百合に惚れ───」
「───百合!」
「へ……?」
「桃の代理を頼んだぞ」
くだらないことを聞く暇はない。
方向性が決まったのなら、物事を進めるべきだ。
……それに、そもそもこの学園は恋愛禁止だし。
少なくとも卒業までは、考えることすら許されない。俺が許さない。
「頼まれても……私たちだけで決めていい話じゃないよ!」
「だから、今から学園長のところに行く。リーダーとマネージャーがいれば十分だろ」
「それはそうかもだけど!」
「お前らはレッスンな」
「「ラジャー!」」
「「はーい」」
物分りのいいメンバーの返事を背中に受け、百合の手を引いた。
「代理やるの、リーダー命令だから」
「それずるい」
「逃げるなよ」
「逃げないよ」
「ふっ、さすが」
強気に見つめ返してくるところが頼もしい。
練習のとき、またあのファンサを見られるかも、なんて。
期待を抱きながら、学園長の元へ急いだ。