②Sparkl
身体の管理はアイドルの大事な仕事の一つだって、何度も何度も言ってるのに!
桃のマネージャーである私が、怒らないわけがない。
それに、全治1ヶ月ってことは。
「花秀定期戦に間に合わない……」
「そーなんだよねー」
「なんでそんなにのんきなの!?」
花秀定期戦は何年も前から行われてる、大事な学園行事。
私たちが通う花ヶ崎学園と2駅隣にある秀麗学園の、定期的に行われている歌合戦だ。
一般の人と音楽関係者の投票によって、勝ち負けが決まる。
開催されるのは2週間後……つまり、桃の復帰が間に合わない。
桃の所属するSparkは歌、ダンス共に完成度が高く、人気のあるグループ。
桃は定期戦における主要戦力の一人ということで。
……学園長になんて謝ったらいいんだろう。
頭を抱える私に、桃はにこりと微笑みかけて。
「ということで、臨時アイドルよろしく!」
「……は?」
とびきりの爆弾を落とした。