②Sparkl
◇
「百合は愛想をふりまきすぎ」
「桃だったらああすると思ったの」
「手を繋ぐ必要はないだろ」
「あれはただの握手でしょ?」
学園長の部屋には、まだたどり着けていない。
ただ今、昴からのお説教中です。
「俺が嫌だった」
「意味わかんないことを言わないでよ……」
「俺もよくわかってない」
なんだそれ……理不尽にもほどがある。
よくわかってないのに、人を壁においやらないでくれるかな!
なんて言う気力もないけど。
凌くんの前で気を張っていたからか、なんだかくらくらするし……無駄な体力の消耗は遠慮したい。
「とにかく、あいつと仲良くしてほしくない。俺が不機嫌になる」
「そんなことを宣言されても困るんですけど!?」
「困って悩んで、あいつのことを考えなくなるならそれもいいな」
「鬼か!」
なにを言っているのか、本気でわからない。
疲れていて私の頭が回っていないのか。
それとも、昴が本格的におかしくなったのか。
ぐるぐると考えて、視界も回りだした気がする。
……って、あれれ。
「そっちは学園長の部屋じゃないよ?」
「病人は黙ってて」
すぐさま命令された。
はい、とりあえず黙ります……。