②Sparkl







「百合は愛想をふりまきすぎ」

「桃だったらああすると思ったの」

「手を繋ぐ必要はないだろ」

「あれはただの握手でしょ?」


学園長の部屋には、まだたどり着けていない。


ただ今、昴からのお説教中です。


「俺が嫌だった」

「意味わかんないことを言わないでよ……」

「俺もよくわかってない」


なんだそれ……理不尽にもほどがある。


よくわかってないのに、人を壁においやらないでくれるかな!


なんて言う気力もないけど。


凌くんの前で気を張っていたからか、なんだかくらくらするし……無駄な体力の消耗は遠慮したい。


「とにかく、あいつと仲良くしてほしくない。俺が不機嫌になる」

「そんなことを宣言されても困るんですけど!?」

「困って悩んで、あいつのことを考えなくなるならそれもいいな」

「鬼か!」


なにを言っているのか、本気でわからない。


疲れていて私の頭が回っていないのか。


それとも、昴が本格的におかしくなったのか。


ぐるぐると考えて、視界も回りだした気がする。


……って、あれれ。


「そっちは学園長の部屋じゃないよ?」

「病人は黙ってて」


すぐさま命令された。


はい、とりあえず黙ります……。



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