②Sparkl
花秀定期戦
学園長からあっさりと許可をもらい、猛特訓に励んだ私たち。
2週間が飛ぶように過ぎ去って、花秀定期戦当日を迎えた。
「桃ちゃん、連絡先交換しようよ」
「だから、仲良くなってからだってば〜!」
「やり取りをしていって仲良くなるんだよ!」
なぜか、私は凌くんに捕まっている。
秀麗学園が序盤からリードし、花ヶ崎学園がなんとか食らいついて迎えた終盤。
10分間の休憩を挟んだ後に、雅のパフォーマンス。
そしてSparkのパフォーマンスで決着する。
この大事なときに、どうして私は絡まれているのか……。
うまく誤魔化して控え室に戻る流れにしよう。
そう思って部屋の方向に身体を向けたとき。
「またお前か」
頼もしいリーダーの声が降ってきた。
「もー、こっちのセリフなんだけど」
凌くんはこの前とは違う、余裕がなさそうで心底嫌そうな声。
どういった心境の変化なんだろう……。
首をひねっている間に、昴が初対面のときと同じように私の盾になった。