②Sparkl
「……何を言っているんだ」
自信たっぷりの桃に戸惑ったのか、ぼそりと否定した昴。
昴が仲間を探すみたいに向けた視線の先には、藍斗、廉、桔花がいる。
全部で5人。みんなSparkのメンバーだ。
藍斗と廉が昴と同じ表情をして頷く中で、桔花は緩やかに微笑んで。
「百合は桃にも昴にも似てるからねぇ」
昴がもっと怒りそうなことを言った。
怖いもの知らずがここにもいた……!
「俺に似てる……?」
そう呟いた昴の眉間は、予想どおりにしわが深くなっていく。
気の弱い藍斗はオロオロ。
底なしに明るい廉はゲラゲラ。
真向かいにいる桃は愉快そうに笑ってるし……うん、最初に桃へ助けを求めた私が悪かったよ。
これ以上、この場がカオスになっていくのを、マネージャーとして見過ごすわけにはいかない。
「桃レベルのパフォーマンスはできるよ。でも、今はそんなことどうでも良くて、代理なんてするわけ──」
「どうでも良くない」
食い気味に詰められた。
噛みつかれるかと思うくらいに。
勢いよく、近く。