お馬鹿な君の世話係。
あの頃は。

中学の頃。

私には付き合ってる彼氏がいた。


「今日も、一緒に帰るだろ?」

裕貴が嬉しそうに言う。


上村 裕貴 カミムラ ユウキ


「うんっ!」

私が笑って言った。

付き合って、半年。

裕貴は、優しくて格好良くて
本当に理想の彼氏だった。

少し困った事があったけど、
まぁ幸せだった。


――放課後。

「凛っ!
急に部活の話し合いが入ってさ…。
先帰っててっ!」

裕貴が言った。

「…分かった。」

「ごめんな。」

裕貴が申し訳なさそうに言う。

「ううん。」

私は、笑って大丈夫だよ、って言った。

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