お馬鹿な君の世話係。

考えていた。

凛が、このまま普通になって。

普通に寮のみんなと仲良くなって。

普通に男と喋って。


すべて、克服できて。

普通の生活を送れるようになったら…。


俺は、どうなるんだろう。


凛は、離れて行くのかな。


そうなる事を一番、俺が望んでたはずなのに。

現実に近づいていくにつれて、嫌になってくる。


俺だけに心を許してたのに。

みんなのものになる。


俺だけ…。

俺だけの凛で、いてほしい。

いつの間にか、そう思うようになっていた。


他の奴と喋ってると、イライラして。

他の奴の話していると、ムカついて。

つい、冷たい態度をとってしまう。


素直に喜べない、自分が嫌になっていた。

いっそのこと、自分から離れた方がいいのかもしれない。

ずっと、そんな事ばかり考えていた。

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