お馬鹿な君の世話係。
「…あっそ……。」
真の手が離れる。
「なに、そっちが聞いたんじゃっ…。」
ムキになって、そう言おうと思った。
けど…。
「…………凛。」
真から、抱きしめられた。
突然だった。
なんで、抱きしめるの?
わけが分からなくて、呆然としていた。
「………ごめん。」
真が私の顔を見て、離れた。
「……なにっ…?…分かんないっ…。」
後ろに引き下がる。
「きゃっ…!」
フラついて、転けそうになった。
――グイッ
真から、腕を掴まれて支えられる。
「俺……、」
「………やだっ…。離してっ……。」
いつの間にか、涙で溢れていて。
手が震えていた。