お馬鹿な君の世話係。

「………隼人?」

足音に気づいたと同時に、隼人の腕の力が強くなった。


「…ねえ。」

きっと、隼人は誰か分かってるはず。

私の後ろで、足音がしたから。


顔をあげて、隼人を見る。


後ろを向こうとしたら、頭を抑えられた。


誰なの?

隼人は、笑っていた。



「邪魔しないでよ~。」

隼人がその人に笑って言う。

「……ちっ…。」

舌打ちが聞こえた。


そう思ったら、また足音は遠ざかる。


「…誰?」

「知らない子。」

隼人が言った。


ねえ、真じゃないよね?


そう聞きたかったけど、聞く勇気がなかった。



「凛、今日部活休むから。
寮に帰る準備しない?」

隼人が言う。

「………いいけど…。」


「じゃあ、決まり。」


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