お馬鹿な君の世話係。
「うん。」
相当張り切ってる早音ちゃんを横目に、
由貴は呆れた顔をしていた。
けど、目が合うといつもの可愛い笑顔で笑ってくれる。
会場の中に入った。
「……人多っ…。」
私が言う。
これはちょっと、キツいね…。
前の試合は、こんなデカいとこじゃなかったんだけど。
「あ、あそこ空いてる~っ!」
早音ちゃんが走ろうとする。
「馬鹿、走んなよ。」
由貴が早音ちゃんの腕を掴んだ。
「なんで~!」
「迷子なるだろ。お前、まぬけだし。」
由貴が言う。
2人、いい感じなんですが…。
「…ねえっ!あそこ空いてるよっ!」
由貴が私に言った。
一気に変わって、まるで別人…。
「じゃあ、早く行こ~っ!」
早音ちゃんが口を尖らせて言う。