お馬鹿な君の世話係。


「だから、これ以上我が儘言わないでくれるかな?」

私は言った。

「いや、これは我が儘じゃないっ!
俺が前に進む為の過程だっ!」


…きれい事に言い直すなよ。


「俺の人見知りを克服する為にっ!」

真が言う。

「…なんで、それに
あたしがつき合わなきゃいけないの。」


「もう、そんな事言わずにさあ…?
お願いしますっ!!」

真が頭を下げる。


「……いやだ。」

「ほらっ!お菓子あげるしっ!」

そう言って、アメを差し出してくる。


おいおいおい。


「馬鹿にしてんの?」

私は言った。

「…いいえ。」


けど。

真に対しての過去の感謝は数え切れないほどで。

もう、断っていてもキリがないと思った。


「いいよ。」

つい言ってしまった、私。

「まじ…!?やっぱ、凜だっ!!凜最高っ!!」

真が喜ぶ。


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