狼の目に涙
残り半分の高校生活、平穏を予定していたのに。
ヤンキーにしては迫力のないか細い声で私に助けを求めてきたわけだから、相当弱っているはず。
ここで手を差し伸べなかったら高校生活どころか、人生が一瞬で終わりになる気がする。
渋々しゃがんで手を出すと、それを無視して私の左肩に佐々原雅の左手がまわされた。
私の優しさを無視したことにイラッとしたけど、そこに触れてはいけないことぐらいは分かるので何も言わずに立ち上がる。
『家どこですか?』
「俺の家遠いし、お前ん家で良い」
『嫌です!あ、…怪我とかなら病院行った方が』
「お前阿呆か。俺みたいなやつが病院行ったって誰が見るんだよ。んで怪我じゃねぇし。良いから早くお前の家に連れてけ」
三年間の平穏計画なんて、ヤンキーに話しかけられた時から崩れていた。
ここまで来たら踏み込むところまで踏み込んだ方が、潔いかも。
『ここから二十分かかりますけど』
「さっさと行け」
ヤンキーにしては迫力のないか細い声で私に助けを求めてきたわけだから、相当弱っているはず。
ここで手を差し伸べなかったら高校生活どころか、人生が一瞬で終わりになる気がする。
渋々しゃがんで手を出すと、それを無視して私の左肩に佐々原雅の左手がまわされた。
私の優しさを無視したことにイラッとしたけど、そこに触れてはいけないことぐらいは分かるので何も言わずに立ち上がる。
『家どこですか?』
「俺の家遠いし、お前ん家で良い」
『嫌です!あ、…怪我とかなら病院行った方が』
「お前阿呆か。俺みたいなやつが病院行ったって誰が見るんだよ。んで怪我じゃねぇし。良いから早くお前の家に連れてけ」
三年間の平穏計画なんて、ヤンキーに話しかけられた時から崩れていた。
ここまで来たら踏み込むところまで踏み込んだ方が、潔いかも。
『ここから二十分かかりますけど』
「さっさと行け」