君がいなくちゃダメ。
「──ええええっ!? まてまて、間接キスじゃんっ! いいのっ!? なずちゃん!」


すると、俺らのやり取りを横で見ていた千秋が何やら騒ぎ出した。


「?」


当然ながら、なずはキョトンと首を傾げる。


「千秋……おまえはもう黙っとけ」


俺は大袈裟な反応をする千秋に冷めた視線を送る。


「いやいや、黙ってられるか! お前ら、幼なじみの距離感バグりすぎ!」


「うん、美味い。私はやっぱり緑茶派」


なずはそんな千秋をガン無視してガブガブと俺のお茶を飲んでるし。


……間接キスとか、そんなの考えたことがなかった。


昔から気にせず、お互いが口をつけたものを食べたり飲んだりしてるし。


たぶんほかの女子相手なら、俺も多少は気を遣うはずだけど、相手はなずだ。


そんなの今更だろ……。


「はい、ゆず。ごちそうさま。じゃ、私あっちに戻るねー」


「おー……って、一気飲みかよ!」


返されたペットボトルの中身は見事に空になっていた。


遠慮の欠片もねぇ……。

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