君がいなくちゃダメ。
2人で家の外に出ると、隣の家から偶然にも、ゆずが同じタイミングで外に出てきた。


「あれっ? ゆずだ! やっほ〜」


「えっ……ゆずくん?」


「……七瀬と、なず、か……?」


私服姿のゆずは、私のいつもと違う姿に目を丸くしている様子。


「まずいことになったわ……」


すると、かおちゃんはゆずの顔を見るなり、何やら頭を抱え出してそう呟いた。


「なに、今から出かけんの?」


「うん! 今日はね〜なんと、合コ……むぐっ!」


言いかけた途中、なぜかかおちゃんの手によって口を塞がれてしまった。


「あー……そ、そう! 今からねっ、2人でご飯食べに行くんだよね〜あはは」


そして、なぜか大嘘をつくかおちゃん。


ええっ? かおちゃん、どうして?


「ふーん……。にしても、なんか今日気合い入れすぎじゃね?」


不審そうに私の事を上から下までじーっと眺めてくるゆず。


普段の私はラフな服装に、髪もノーアレンジでノーメイクだから、こんなふうに女の子らしい服を着てオシャレをしている私は、ゆずからしても、さぞ見慣れないことだろう。

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