君がいなくちゃダメ。
朝が弱い私は、こうやってゆずに起こしに来てもらうことが日常茶飯事だったりする。


「はぁ……。とにかく、さっさと支度しろよ?」


「待ってゆず」


私は部屋から出ていこうとするゆずの服の裾を掴む。


「なんだよ」


「ん。起こして?」


ゆずに向かって両手を広げてみせた。


「……いい加減、それくらい自分で起きろよ」


「むぅ……いいじゃーん。ゆずのケチ」


「子どもかよ……。ほら」


ゆずはうざがりながらも、私の手を掴むとすんなり起こしてくれた。


「ふふ〜、やっぱりゆずは優しいねぇ」


私がニヤリと笑みを浮かべると、ゆずは照れたのか私からふいっと顔を背ける。


「うるせ、さっさと支度しろ」


そう言い捨てて、部屋から出ていった。


私はそんなゆずがかわいくて、しばらくの間はニヤニヤしてた。

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