君がいなくちゃダメ。

＊*


学校に着き、ゆずと同じ教室に入ると、私は一目散にもう1人の大好きな人のところへ駆けていく。


｢かおちゃーん！ おはよ〜っ｣


席に着いてる彼女に、後ろからギュッと抱きついた。


｢わっ……！ なず!? もーっ、びっくりした……！｣


この子は中学からの親友、七瀬香織ちゃん。通称かおちゃん。


かおちゃんはゆずと少し性格が似てて、優しくてしっかり者で、落ち着きのあるお姉ちゃんみたいな女の子だ。


｢えへへ、おどかし大成功〜｣


｢まったく……。なず、ここ髪跳ねてるよ。もしや、また寝坊したの？｣


そう言って、すぐさま手持ちのクシで私の髪をとかしてくれるかおちゃん。


私の髪はボブで、生まれつきウェーブがかかってる癖っ毛。


美容師を目指してるかおちゃんは、ヘアアレンジがすっごく上手でよく私の寝癖を直してくれたり、かわいくアレンジしてくれる。


｢うん、ちょっとね。でもゆずが起こしてくれたから間に合ったよっ｣