またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「できた!」

 一瞬にして鶴を造ると皇子は、また固まった。

「皇子も一緒に織ろうよ」

「……わ、私に、できるであろうか?」

「大丈夫。簡単だから」

 皇子に和紙を渡すと、ゆっくりと織ってみせる。

「まずは、こうやって?」

「こ、こうか?」

 皇子の細長い指は、私よりも不器用に動く。

「そう。それでこうして。あ、そこは逆ね」

「……こ、こうか?」

 真面目な顔をして鶴を織る姿に、笑いそうになるのを堪える。
< 105 / 204 >

この作品をシェア

pagetop