またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「案ずるな。しばらくは、欺くことができるであろう」

 __しばらく。
 それはいつか、殺される日がくるかもしれないってこと?

「……怖くないの?」

 どうしてそんなに、優しく笑っていられるの?

「殺されちゃうかもしれないんでしょ?」

 今は誤魔化せていても、いつかはバレてしまうかもしれない。私には、どうしてそんな顔をしていられるのかわからない。

「慣れておるからな」と、微笑む顔に嘘はない。どこまでも優しく穏やかで悲しい。

「……私にはできないよ」

 殺される覚悟も、皇子のように悟ったように生きることも。きっと見苦しい程に足掻いてしまうし、この身分から逃れようとする。
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