またキミに会うために~1400年の時を超えて~
「ほれ。これでも食べよ」

 泣いている赤子をあやすように、皇子は懐から私のあげた飴の袋を取り出す。

「……ダメ。それは皇子のだから」

「友達の証なのだから、優花殿の物でもある」と、私に差し出した桃色の飴を夕日に照らして見せる。

「見てみよ。綺麗だぞ?」

「……皇子の方が、綺麗だよ」

 一瞬、きょとんとした顔をしたけれどすぐに笑顔にかわる。

 綺麗なのは飴じゃない。
 飴を綺麗だと、そう言って笑っている皇子のほうだ。私にとって皇子は、いつだって輝いて見えるんだ。
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